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上原農場 〜劇的美味なじゃがいも!!〜 じゃがいもで、太陽が食べられる!?

本誌P40でもご紹介した通り、 おろして搾ったその汁を、
まさに調味料として愉しめる松館しぼり大根。
その究極の辛味をご堪能いただくべく、 秋田県田沢湖畔の『田口農場』で
飼育された、 デュロック種の原種豚「田沢湖デュロック豚」のしゃぶしゃぶセットとともに、
松館しぼり大根をパッケージしてみました。

「松館しぼり大根」とは?

 なんと搾り汁を楽しむための、世にも奇妙な辛味大根。それが「松館しぼり大根」です。大根おろしにしたものを搾って採った乳白色の汁を、料理に加えて楽しむというのです。おろし汁に含まれる辛味成分(イソチオシアネート)は、通常の青首大根の約4倍とも言われます。
産地は、秋田県最北の鹿角市八幡平。「松館」と呼ばれる地区のわずか4haほどの畑だけでしか育たないという、これまた神秘的な大根です。

 そもそもこの大根、少なくとも100年以上の歴史がある地大根と言われ、途中で生産が途絶えた時代もりましたが、1980(昭和55)年に結成された「松館しぼり大根生産組合」が主体となって、その生産が維持され続けてきました。毎年8月には種を播き、10月下旬から収穫が始まりますが、一度霜が降りた後の11月下旬以降に収穫された大根は辛さも際立ち、刺激的。その後冷暗所であれば3月いっぱいまでは、貯蔵してもその辛味は失われません。

「松館しぼり大根」は本当に搾るだけ?

 まるで調味料的に使われる“乳白色の搾り汁”を、産地の人々はいったいどのようにして愉しんでいるのでしょうか? この大根を30年以上の長きにわたって栽培し続けている山崎純二さんによれば、なんと「お酒を飲み過ぎた翌朝には、汁をそのまま飲む人も多い」そうです。

 「とにかく皮を剥かずにそのまま擦りおろして布で搾り、蕎麦のつゆに加えたり、焼き肉のタレに混ぜたりして食べるんだす。醤油と混ぜて刺身の薬味にするのも美味しいけれど、まんず醤油は要らないすなぁ。大根の汁だけで十分にうまい」。
 おろした大根は、まるでまっ白い段ボールでも摩ったかのごとく、見た目はパサパサ。北海道に自生する“山ワサビ”のようだと評する人もいますが、半分ほどおろした後にこれをガーゼで包むと、片手で握るだけで小さなコップ一杯分の汁が採れるのです。

 例えば、温かいかけ蕎麦に注ぎ入れると、濃いめの出汁にキレが生まれ、辛いというか、爽やか。目が覚めるような爽快感が、出汁の香りと蕎麦の味をさらに際立たせてくれます。あるいは、イカの刺身に直接かけて食べれば、舌全体を包み込むように優しく痺れる辛味が生まれた直後、これほどまでに甘かったか? と我が舌を見紛うほどにイカの身の甘さが口中に広がります。よく噛みしめてイカの甘味を堪能した後でさえも、舌の両脇に尖った痺れが残り、喉の奥が少しだけヒリヒリする。それくらい辛いのです。
 おろしたままを絞らずに納豆などに混ぜると、ワサビにも似た辛味が加わって確かに美味しいし、地元では焼肉のタレに混ぜて楽しむ人も多いのだとか。

デュロック原種豚が一般流通しない理由。

 デュロック種とは、アメリカ・ニューヨーク州のニューヨークレッドとニュージャージー州のジャージーレッドという品種が交配されたもの。比較的大型の豚で、成長すると300s以上にもなるデュロック種の肉質は、数ある豚の中でも霜降りの脂肪が多く付くと高評価を得ています。ゆえに、様々な銘柄豚には、ほぼ確実にその血統が入るとも言われる原種豚なのです。一方で、確かにサシの入った良い肉が取れますが、肉質がバラつきがちで場合によっては脂の厚い豚肉になってしまうことも多いので、一般市場では低い格付けで流通しがちです。また、他の品種と比べると繁殖能力が著しく劣るので、一般的な養豚業者が扱うにはリスクの高い品種でもあるのです。そんなわけで、デュロック種とは一般に流通しにくい品種とされています。

田口農場のこと。

 日本一深い湖で神秘的な美しさを持つと言われる田沢湖で養豚業を営む田口農場。ここで生産されるデュロック豚は、月にわずか30頭程度。通常の豚よりも2ヶ月も長く飼育します。パン屑、菓子屑、おから、みりん粕、ビールかすなどを主な原料とした自家製発酵飼料を餌として与え、抗生物質などの薬物も一切使いません。一般的には、子豚の頃から病気に罹らないように、抗生物質や様々な予防注射をするようですが、田口農場では、豚の生育環境を自然に近い状態に整え、豚がストレスフリーに成長するために工夫を重ねているそうです。例えば、田口農場のデュロックたちはいつも泥んこ遊びをしています。土に触れることで、自然な免疫力が高まるからです。人間でもそうですが、過度に清潔な環境は、持って生まれた抵抗力を落としてしまうのです。

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 とにもかくにも、そんな工夫を重ねながら丁寧かつのびのびと育てられた「田沢湖デュロック」は、その霜降り具合も安定し、通常の豚であればその融点が40℃と言われる脂身の融点は、約25℃の室温でも溶け出すほどに低く、加熱してもアクが少ない。さらに、黒豚やイベリコ豚が香りと味とで強烈な個性を主張するのと比べると豚特有の臭みも俄然少ない。なんというか、豚の臭みこそ美味の素だという今までの味の記憶があっさりと覆るほど、癖がないのに美味いので、レアな状態でその肉質を堪能できる“しゃぶしゃぶ”で、まずはお楽しみいただきたい!!

  というわけで、出汁の中で軽く泳がせ、ポン酢&松館しぼり大根のタレとともに咀嚼すると、舌の上にうま味だけを残したまま、まずは肉がキメ細かく溶けながら胃の腑に落ちて行き、大根の辛味が余韻として口の中に残っているという具合。ひたすらに優しく美味しいという豚の味体験が叶うはずです。…是非っ!!

鹿角の短角牛